アシッドフリーとはいったいどういうものなのでしょうか。スクラップブッキングではアシッドフリーのペーパーやのりを使わないと写真が劣化すると言われていますよね。いったいどのペーパーや道具を使えばいいのか、どこまでこだわればいいのか、ペーハーテスターペンも使って身近な紙について調べてみました。
〇アシッドフリーとは?
アシッドフリーとは、簡単に言うと紙の劣化になる「酸」が使われていない製品であるという意味です。
写真の場合、変色したり黄ばんだりするのは紙や接着剤、のりに含まれている酸が原因とされています。
昔のペタッとはりつけて透明シートで挟むタイプのアルバムはアシッドフリーではなく、酸が含まれていたので、写真が劣化してしまっている場合も多いようです。
アシッドフリーとは
中性紙(ちゅうせいし)は、中性から弱アルカリ性域で製造された紙で、てん料(充填剤)として炭酸カルシウムが主に使用されている。製造された紙も中性から弱塩基性を示す(紙のpH測定に関しては、JISなどに規定されている)。厳密には無酸紙(英語:acid-free paper)とは区別される。酸性紙ではサイズ剤(インクのにじみ止め)としてロジンが使用されていたのに対し、中性紙ではAKD(アルキルケテンダイマー)やASA(アルケニル無水コハク酸)などが使用されている。主に工業的手法に基づいて生産された紙のことを指す。
厳密には中性紙と、アシッドフリーペーパーとは違うということ。
日本製のペーパーやのり類にアシッドフリーと表記されていないのは、この「厳密には」というところなのかな、と考えられますね。
ただ、大まかにいうと中性紙のことをアシッドフリーとして扱っているようです。
スクラップブッキングのメーカーから発売されているペーパーやステッカーなどはアシッドフリーと考えて間違いないですが、文房具店に売られている画用紙や折り紙などは中性紙なのか、酸性紙なのか?
見ただけではわかりませんよね。
そこで、調べる方法として、「pH tester pen」を使ってみました!
今回使った「pH tester pen」はアメリカのメーカー「AMERICAN CRAFTS」のもの。
紫色のペンです。
『blue/lavender = good , yellow/colorless = bad』
と表記されているので、紙にペンを塗った部分が「黄色か透明になったら酸性なので使っちゃだめですよ~」ということです。
実際にスクラップブッキングメーカーのペーパーと、身近にある紙をペーハーテスターペンを使って、酸性なのか中性なのかを調べてみました。
〇ペーハーテスターペンを使って調べてみた
ペーハーテスターペン(pH tester pen)で実際に紙に線を書いて、酸性なのか、中性なのかを調べました。
今回調べたのは一部の製品ですので、必ずすべてのものに適応される結果ではありませんが、参考にしてみてくださいね。
●スクラップブッキングのパターンペーパー
まず、最初はスクラップブッキングのパターンペーパー
真ん中の紫色の線がペーハーテスターペンの色です。
紫のままなので、アシッドフリーだということがわかります。
ここで、透明か黄色になったらびっくりですよね。
ですが、確実に紫でした。
●100均のメモ帳
次に、100均で買ったメモ帳。
このメモ帳には酸は含まれていませんでした。
というか「酸性ではない」という結果です。
ノート類はほかにも調べてみましたが、酸は含まれていなかったです。
●家庭用プリンターで使うコピー用紙
続いて、コピー用紙。
これも酸は含まれていません。
コピー用紙すべてにおいて酸がふくまれていないかどうかはわかりませんが、家で使っているコピー用紙は大丈夫でした。
中国製の安いPPCペーパーですが意外と大丈夫でしたね。
●チケット類
続いて、万博公園のチケット。
写真とともにメモラビリアとして保存することも多いチケット類。
こちらのチケットには酸は含まれていませんでした。
今回は裏だけ調べましたが、表も調べるとより安全です。(目立たない部分で)
パンフレットや思い出の紙類は、一緒に保存するとよい記念、思い出になるのでとっておきたいですよね。
酸は含まれていないとわかっても、私はなるべく写真とは離して使うか、アルバムの別のポケットに入れるなどしてより安全に収納することにしています。
●ダンボール
ダンボールはミニアルバムを手作りするときの表紙や、ミクストメディアで使ったりします。
アシッドフリーの段ボールも発売されていますが、家にあるもので使えるものは使いたいですよね。
う~ん。微妙。緑に近い気がします。
ちなみに、『blue/lavender = good , yellow/colorless = bad』なので、
青と黄色の中間。
酸性じゃないけど使わない方がいいかも。
こちらは完全アウトです。
わかりやすいように、スクラップブッキングで使うカードストックを下に並べてみましたが、
全然色が違いますよね。
1枚目の段ボールは直接写真に触れない表紙の土台になら使えないこともないです。
でも、より劣化を防ぎたいなら使わないでおきましょう。
●折り紙
次に100均の和柄の折り紙。
和風の写真、お正月や成人式、七五三など日本人なら和のイメージでアルバム整理やスクラップブッキングを作りたくなります。
そんなとき、手軽に和柄の折り紙や千代紙を使いたいなって思ってしまいますよね。
テストしてみた結果こちらの折り紙には酸は含まれていなかったようです。
家にあった折り紙はこれだけだったのですが、気になったので100均で別の折り紙も買ってきてテストしてみました。
無地のカラー折り紙。
こちらは色々な色でテストしてみましたが、もはやペンの色が見えません。
透明は酸性なので、スクラップブッキングや写真整理には使えないですね。
両面カラーの折り紙。
ペンの色は紫なので、こちらの折り紙は中性でした。
調べてみた結果としては、折り紙には酸が含まれていることが多いので、スクラップブッキングや写真整理には使わない方がよいでしょう。
●色画用紙
最後に、100均で子供の工作用として買った色画用紙。
色画用紙は見た目、カードストックと変わりないです。
幼稚園や保育園の卒業記念に先生にプレゼントするアルバムなどにも使うことがあるのではないでしょうか。
調べた結果、酸性・・
上が色画用紙で、下がアシッドフリーのカードストックです。
今回使ったテスターペンの色が変わったように、写真がすぐに変色してしまうわけではありませんが、長期的に写真と画用紙が重なっている場合などは劣化・変色してしまう可能性が高いです。
全ての画用紙を調べていませんので、メーカーの画用紙などについてはアシッドフリーかどうか不明ですが、写真整理には使わない方がよいですね。
〇まとめ
結論としては、スクラップブッキングメーカーが発売している素材以外は、実際にペーハーテスターペンを使ってみて酸性か、中性かを調べてから使うのが安全だと思います。
今回調べたところ折り紙は中性のものと酸性のものがありましたが、友人が折り紙を使ってミニアルバムをプレゼントされているものを見たことがあります。
折り紙と重なっている写真の部分が変色してしまっていたので、折り紙の酸が原因だと思いました。
せっかくプレゼントしても写真が変色してしまっては、残念です・・
なので、折り紙の使用はおすすめできません。
画用紙についても使わない方がよいと思います。
実際に酸性でしたし、せっかくスクラップブッキングやアルバム整理をしても写真が劣化、変色してしまってはもったいないです。
スクラップブッキングのカードストックが普通の画用紙よりコストが高いのはアシッドフリーで、写真を長期保存できる製品だからなんですよね。
メモラビリア(チケットや入場券、パンフレットなど)は、写真と離しておくとか、ポケットアルバムなら写真と別のポケットにしまっておくと安全です。
長期保存するアルバムやスクラップブッキングだからこそ、なるべく劣化を防いで大切に保存できる素材を使っていきたいですね。